災害はいつ起こるかわからない!オフィスに備えるべきモバイルバッテリー

「災害は忘れた頃にやってくる」という言葉の通り、地震や台風、集中豪雨など、自然災害のリスクは常に身近にあります。もし、あなたがオフィスにいる時に停電が発生したらどうしますか?情報収集や安否確認、そして取引先や家族への連絡手段であるスマートフォンが使えなくなったら、大きな不安に襲われるでしょう。

そうした非常時に備え、オフィスにモバイルバッテリーを備蓄することは、もはや欠かせない防災対策の一つです。今回は、オフィスの防災担当者向けに、モバイルバッテリーの選び方から、具体的な運用方法、そして日頃からできる災害への備えについて、詳しく解説します。


 

1. なぜオフィスにモバイルバッテリーが必要なのか?

 

災害時に停電が発生すると、固定電話やWi-Fiが使えなくなり、唯一の情報源となるのがスマートフォンです。安否確認システムへのアクセス、災害情報の収集、そして家族や友人の安否確認など、その役割は非常に重要です。しかし、充電が切れてしまえばただの「板」になってしまいます。

社員一人ひとりがモバイルバッテリーを持っているとは限りませんし、充電器やケーブルを常備しているとも限りません。だからこそ、企業が主体となって、災害時に全員が利用できる大容量のモバイルバッテリーをオフィスに備蓄しておくことが、従業員の安全と事業継続性を確保する上で不可欠なのです。

 

2. オフィス備蓄用モバイルバッテリーの選び方

 

個人用のモバイルバッテリーとは異なり、オフィス用にはいくつかの特別な視点が必要です。

 

容量は「大は小を兼ねる」で選ぶ

 

まずは容量です。災害時は充電できる機会が限られるため、できるだけ大容量のモデルを選びましょう。目安としては、10000mAh以上のものがおすすめです。この容量であれば、スマートフォンを複数回満充電にできるだけでなく、タブレットや、緊急時にはノートPCへの給電も可能です。複数の従業員が交代で使うことを想定し、最低でもスマートフォン5台分以上をフル充電できる容量を確保しておくと安心です。

 

複数ポートと出力形式を確認する

 

次にチェックすべきは、ポートの数と種類です。

  • USB-Aポート:旧来のスマートフォンやガジェットの充電に必要です。
  • USB-Cポート:最新のスマートフォンやタブレット、ノートPCなど、多くの機器で採用されています。**PD(Power Delivery)**に対応しているものを選べば、高速で充電が可能です。
  • ポート数:同時に複数の機器を充電できるよう、2~3個以上のポートがあるモデルが理想的です。

 

耐久性と安全性も重要なポイント

 

災害時には、予期せぬ衝撃や水濡れが起こる可能性があります。多少の衝撃に耐えられる頑丈なボディや、防水・防塵性能を備えたモデルであれば、より安心して使用できます。また、信頼できるメーカーの製品を選び、PSEマーク(電気用品安全法)の有無を確認することも重要です。


 

3. 備蓄するだけでは不十分!効果的な運用術

 

モバイルバッテリーは、備蓄して終わりではありません。災害時にスムーズに活用するための運用ルールを事前に決めておくことが重要です。

 

① 定期的なチェックと充電を習慣化する

 

いざという時にバッテリーが空では意味がありません。月に一度、または四半期に一度など、担当者を決めてバッテリー残量をチェックし、満充電にしておくことをルーティン化しましょう。チェック日をカレンダーに登録するなど、忘れない工夫も大切です。

 

② 誰もが使えるよう保管場所とルールを周知する

 

モバイルバッテリーの保管場所は、停電時でもアクセスしやすい場所にまとめておくのがベストです。社内ポータルや掲示板、そして災害時連絡マニュアルに保管場所を明記し、全従業員に周知しておきましょう。

また、緊急時の貸し出しルールも明確にしておきます。

  • 誰が貸し出しの責任者となるか?
  • 個人の安否確認が完了するまでは、業務連絡や安否確認を優先し、私的な利用は控える、といった利用の優先順位を決める。
  • 持ち出しと返却の方法をどうするか?

といったことを事前に決めておくと、混乱を防ぐことができます。


 

4. モバイルバッテリーと合わせて備えたい防災グッズ

 

モバイルバッテリーは、非常時の情報通信手段を確保する上で非常に有効ですが、それだけで十分なわけではありません。以下の防災グッズと組み合わせて備蓄することで、さらに災害への備えを強化できます。

  • 多機能ラジオ(手回し・ソーラー充電式):停電時でも正確な情報を得ることができます。USBポートを備えたモデルなら、モバイルバッテリーのサブとしても使えます。
  • LEDランタン:懐中電灯よりも広範囲を照らすことができ、避難経路の確保や安全確保に役立ちます。
  • ポータブル電源:容量が大きく、複数のモバイルバッテリーを充電できるほか、ノートPCや小型の家電も動かせます。大規模な停電に備えるなら、導入を検討する価値があります。

 

備えあれば憂いなし

 

モバイルバッテリーは、ただの「充電器」ではありません。災害時の不安を和らげ、迅速な情報共有と安否確認を可能にする、命を守るためのツールです。

この記事を参考に、ぜひオフィスの防災対策を今一度見直し、モバイルバッテリーの備蓄と運用体制を整えてください。いつ起こるか分からない災害に、私たちは万全の体制で備えることができます。

あなたのオフィスでは、すでにどのような防災対策に取り組んでいますか?