働き方が変われば、文具も変わる──「今、売れている事務用品」の背景とは?
ここ数年、私たちの働き方は大きく変わりました。
コロナ禍をきっかけにしたテレワークの普及、フリーアドレス制の導入、ペーパーレスの加速、SDGs・ESGへの対応など……一昔前の「紙とファイルと固定席が基本」だったオフィスは、今や別世界。
こうした環境の変化とともに、事務用品にも“変化”と“進化”が求められるようになっています。
単に「書ける」「綴じられる」ではなく、持ち運びやすい、エコである、デジタル連携できる、使って気分が上がる──そんな視点が重要になってきています。
この記事では、2024〜2025年に特に人気が高まっている事務用品のトレンドを、カテゴリー別にたっぷりご紹介します。
1. 「紙に頼らない」が常識に。ペーパーレス対応文具が大人気
紙の書類をスキャンしてデータで保管・共有する動きが加速する中、スキャナー一体型プリンタやスマートノートなどの“ペーパーレス文具”が注目されています。
たとえば「ScanSnap iX1300」は、家庭にも置けるコンパクトサイズながら、高速で両面スキャンが可能。Wi-Fiにも対応しており、PC不要でクラウド保存もできます。
また、キングジムの「SHOT NOTE」は、普通のノートのように手書きした内容をスマホで撮影→PDF化→保存できる便利グッズ。書類の整理に悩む方から支持を集めています。
特にテレワーク中のビジネスパーソンや、情報を素早く整理したい営業職などに人気です。
2. 「環境にやさしい」は選ばれる理由に。エコ文具のニーズ増加
今、多くの企業が「環境への配慮」を商品選定の条件とするようになっています。
その中で、人気が高まっているのが「エコ文具」。代表的なのは、再生紙ノートや針を使わないステープラーなどです。
コクヨの「ReEDEN」は、古紙パルプを再利用したナチュラルな風合いのノートで、見た目もおしゃれ。
また、PLUSの「ノンステープラー」は、紙を折り込んで綴じるタイプで、ゴミが出ず、分別も不要です。
これらは単なる“節約”の枠を超えて、企業の社会的責任(CSR)やESG対応にもつながるため、総務部門からの発注も増えています。
3. フリーアドレス対応が求められる今、「移動できる収納」が選ばれる
オフィスの固定席がなくなりつつある現代、「自分の文具を持ち運べる」ことが重要になっています。
その結果、パーソナル収納アイテムが人気を集めています。
たとえば、ナカバヤシの「デスクオーガナイザー」は、ペンやメモ、付箋、小型ガジェットまでまとめて持ち運べる便利な収納ポーチ。
また、無印良品の「ポリプロピレンファイルボックス」は、軽くて丈夫、カスタマイズ性も高いため、多くの企業で採用が進んでいます。
オフィスだけでなく、在宅ワークやコワーキングスペースでも“自分の仕事道具”をまとめて管理できる点が評価されています。
4. 手書き派にも朗報。「書けるデジタル文具」が好調
「やっぱり紙に書きたい。でも、それをデータ化したい」──
そんなニーズに応えてくれるのが、スマート文具やデジタルペンの分野です。
たとえば「Rocketbook」は、専用ペンで書いた内容をスマホでスキャン→クラウド保存できるうえ、ノート自体は水拭きで再利用可能。
また、「Wacom Bamboo Slate」は、普通の紙に書いた内容をそのままデジタル化してくれます。
アイデアを手書きでまとめたいクリエイターや、議事録を後からデータにしたい方に好評です。
5. 探しやすい、片付けやすい。視認性重視の整理整頓アイテムが支持
「探し物に時間をかけないオフィス」──これが、今のオフィス整理のキーワードです。
そこで支持されているのが、中身が見える透明ファイルやラベル付き収納ツール。
キングジムの「タグ付きクリアーファイル」は、一目で中身がわかる上に、インデックス管理もしやすいため、書類整理の定番に。
また、コクヨの「NEOSファイルボックス」は、デザインと機能性を両立したモデルで、使いやすさと見た目の良さを両立したいオフィスにぴったりです。
特に、複数人での書類共有が多い部署や、社内フリーアドレス環境での利用に適しています。
✅ まとめ:「買い替え」ではなく「アップデート」がカギ
近年の事務用品は、「ただの消耗品」ではありません。
働き方の変化や企業の価値観に合わせて、効率化・環境対応・柔軟性・共有性といったさまざまな視点から進化を遂げています。
いま人気のオフィス文具を導入することは、単なる便利グッズの追加にとどまらず、働く人のストレス軽減、企業のイメージアップ、チームの生産性向上にもつながる大きな一手になります。
あなたのオフィスでも、日々の文具に少しだけ「新しさ」を加えてみてはいかがでしょうか?